経済を読むポイント

2011年の経済を読むポイント

USA2010年の米国経済に関する振り返り

 

米国の2010年7〜9月期の実質GDP成長率は前期比年率2.6%と5期連続のプラス成長となった。個人消費が4年ぶりの高い伸びとなったほか、設備投資も3期連続で増加した。一方、内需の回復にともない輸入が増加し、外需(輸出−輸入)が成長率を2%ポイント押し下げた。巡航速度とされる2%台後半をいく分下回っているものの、米経済は緩やかな成長が続いている。

 

12〜1月に発表された経済指標は景気の底堅さを示すものとなった。家計部門では、12月の雇用者数は前月比10万人増と3ヶ月連続で増加した。また、11月の実質個人消費は前月比0.3%増と7ヶ月連続で増加した。一方、11月の住宅着工件数は56万戸と持ち直し、住宅購入支援策の打ち切りによる反動減は一服したが、自律的な回復力は弱く低水準で推移している。

 

企業部門では、景況感を示す12月のISM指数は、製造業で57.0、非製造業は57.1と、いずれも景気判断の目安となる50の水準をそれぞれ17ヶ月、12ヶ月連続で上回った。設備投資動向を示す11月の資本財出荷(国防と航空機を除くコアベース)は前月比1.1%増と再び増加した。

 

FRB(連邦準備制度理事会)は12月14日に開催したFOMC(連邦公開市場委員会)で、ゼロ金利政策と6,000億ドルの米国債購入政策の継続を決定した。経済指標の改善を背景に、6月末を期限とする購入策については、一段の緩和策が実施される可能性が低下したとの見方が広がっている。もっとも、FRBは今後の政策運営について、経済情勢を見極めながら慎重に判断する方針を示している。

 

USA2011年の米国経済と見通しに関して

 

2011年の為替相場(FX)は回復局面にはいるものの2010年以上に大きな試練を迎えそうだ。

 

不透明感が高まったきっかけは、アメリカ(以下「米国」)の低所得者向け(サブプライム)住宅ローンが、米住宅バブル崩壊で不良債権化したことだった。ローン債権を組み込んだ証券化商品が一斉に格下げとなり、欧米の金融機関が6月から8月にかけて損失を公表。世界の金融市場を大きく揺さぶった。
為替相場
緩やかな回復を続けた日本経済にとって、サブプライムショックの影響は株安と円高となって表れた。ドルやユーロに対し、史上最安値を更新していた円相場が欧米市場の混乱で円高に振れ、それまで株高の主役だった海外投資家も円高懸念などで「日本株売り」に転じた。一時1万8千円を超えていた日経平均株価は7月以降、下落に転じた。07年の日本経済は当初、デジタル製品の在庫調整の長期化などが懸念されたが、生産は次第に回復。4〜6月期の国内総生産(GDP)の2次速報が設備投資の下落でマイナスになったが、好調な輸出や企業業績を背景に設備投資は盛り返し、原油、資源価格が、最高値更新説食品値上げで、消費減か蓉都市と地方の格差広がる2011年は、まず減速したアメリカ経済がどこまで回復するのかに注目だ。住宅市場の調整が長引き、個人消費に深刻な影響が出れば、外需主導の日本経済への打撃も免れない。

 

ただ、中国やインドなど新興国の成長著しく、米国の減速分をカバーできるとの見方もある。最高値を更新し続けた原油高や資源高は、生活面に影を落とし始めた。ガソリンや紙製品、めん製品、お菓子などの加工食品が相次ぎ値上がりした。賃金が伸び悩むなか、日々購入する生活用品の値上げが広がるようなら、個人消費を直撃しかねない。大企業と中小企業、都市部と地方との格差拡大も気がかりだ。

 

何がともあれ、日本を含む世界経済の動向を探るにはアメリカ経済の行方を考察しなければ、いけないだろう。

オバマ政権が目指す「新しいアメリカ経済」の全貌を探る

今年の『大統領経済報告』は、オバマ政権樹立後初めてのものだ。ブッシュ政権の8年間は、いわゆる新自由主義的経済政策が貫かれてきたが、今年は大きく経済政策の基調が変わらた。ブッシュ政権の経済政策との決定的な違いは、政府の機能についての考え方だ。ブッシュ政権は、政府の機能は小さければ小さいほどよくて、基本は、市場に任せるべきという考え方だった。だから、ブッシュ政権時代に出した『大統領経済報告』も、ニューケインジアンのグレゴリー・マンキューが経済諮問委員長の時に、財政に少し言及することはあったが、それ以外には財政政策をまともに取り上げることは一度もなかった。あったとしてもそれは、一律減税を説く租税政策のみであった。
オバマ大統領
ところが、今年の『報告』は、どれまでと全く異なり、財政を経済政策の基軸に置いている。そして、政府の機能をフルに活用して、米国経済の均衡を回復させる(rebalancing)という考え方を前面に出している。ここで言う「均衡の回復」とは、米国経済が長い間、経常収支の赤字を出し続け、債務国であり続けてきたが、これを是正していくことを意味している。つまり、これまで過剰消費、過小貯蓄だった米国経済に、貯蓄重視の意識を取り込んで、変化させ、再び均衡を回復させていくことを狙っている。同時に、世界経済は米国の過剰消費が生んだ需要に依存して、米国に輸出してきたわけだが、その構造を変えて、世界的な均衡回復を図るとも『報告』は言っている。非常に気宇壮大な経済政策を打ち出しているのが大きな特徴だ。不均衡を黙認したとも言えるブッシュ政権とは大き違うし、同じ民主党のクリントン政権ともだいぶ異なる経済政策と言えるだろう。「大不況」とは違う「大リセッション」を『報告』の基本的構成に沿ってその内容を見ていこう。

 

まず第1章は、「救済・均衡回復・再建のために」というタイトルで、『報告』の要旨が述べられている。ブッシュ政権の『報告』では、冒頭の「概観」に相当する。経済危機に直面したオバマ政権は、急落する米国経済をいかに救済するかが、第1の課題であったと述べ、その行動を国内的、国際的に展開させていくことが重要と論じている。第2章「大リセッションからの経済救済」と第3章「世界経済における危機と回復」で、その具体的な行動について記している。

 

第2章では、大リセッション(Great Recession)という言葉が使用されている。これを「大不況」と訳すと正確な意味が伝わらないと考え、あえて「大リセッション」とした。というのは、「グレートリセッション」は、大不況、あるいは大恐慌とは違う、経済の落ち込み方を特徴づける絶妙のネーミングだと考えたからだ。 100年に1度という深刻な事態が米国を襲ったのは事実で、本来ならば、1930年代の再来のようなことがあってもおかしくはなかった。しかし、2009年は日本も米国もプラス成長に転じてきている。つまり、政府が適切な経済政策をとれば、短期的に何とか回復に持ち込めるー「グレートリセッション」という表現は、そういう意味合いを含んいる。従って、「大不況」と訳すと、30年代大恐慌や19世紀末大不況との性格的相違がつかなくなってしまうと考えて避けた次第である

 

必要たった異例の金融政策と財政出動大作戦

 

急落する米国経済の中で、まずとった政策が金融システムの安定化だった。これは、ブッシュ政権が展開した政策を引き継いだわけだが、オバマ政権らしい特徴は、その目的が、金融機関の救済ではなく、一般のアメリカ人を救うこと、としている点だ。「ウォールストリート」と「メーンストリート」という言葉を使い、オバマ政権は、メーンストリート、オーディナリー・ピープルの利益を考えて行動した。決して人気のある政策ではなかったけれども、大きな金融機関が倒れると、それに付随してメーンストリートの利益も阻害されてしまうという考え方を示した。

 

そして、08年秋以降の経済危機には、「第2の大恐慌」に発展する可能性があったという認識を示し、異例の緊急な政策がぜひとも必要な措置だったと言っている。異例な対応の第1は、金融政策であり、ブッシュ政権からの政権対応を回顧している。その展開の中で、伝統的な金融政策には限界があり、大規模な金融機関の資産買い取り作戦に取り組み、その結果、連邦準備銀行のバランスシートの規模が大きく膨張していった。

 

金融政策の具体的な展開は、ブッシュ政権期の08年10月3日の「緊急経済安定化法」で始まった。オバマ政権のガイトナー財務長官が、09年2月10日、金融安定化計画を発表、包括的な全融市場の信頼の再建を目指すと述べた。大きな目標は3つあり、第1に、資本評価監視プログラムである。要するに金融機関が、どれだけ不良資産を抱えて、自己資本の厚みはどれだけで、金融機関がつぶれるかどうかを評価、監視することだ。第2に、消費者と企業家向けの貸付を展男させていくこと。第3に、金融機関から不良債権を取り除く、官民一体となった投資プログラムの設置だ。

 

こうした金融政策もさることながら、オバマ政権の真骨頂は、「2009年米国復興及び再投資法」に基づく財政出動大作戦だろう。この復興法は、米国史上最大の景気対策としての財政出動と位置づけている。この財政刺激策は、総需要を満たすために設計されている。つまり、需要が不足しているという認識だ。ブッシュ政権ではこうした発想は全然出てこなかった。ケインズ政策の久々の復活と言っていい。いくつか原則があって、@緊急政策は09年と10年の2年間にわたって実施される。A実施する分野ややり方は、多様で、かつての日本の失対事業のようなものから、失業保険の増額、給付期間の延長、減税などがある。B政策は短期に限らず、後述するが、クリーンエコノミーやインフラ整備のような中長期的な政策も復興法の中に入っている。また、住宅では、モーゲージ金利を低く抑える住宅取得支援措置と住宅取得の際の税控除を盛り込んでいる。

年始から為替相場で再燃した欧州債務危機の一角にいるポルトガルの国債入札が、今晩7時半に予定されている。昨日は日本の野田財務相が欧州危機の救済に乗り出す考えを示し、また、欧州中央銀行(ECB)がポルトガル債を継続して購入したのではとの観測も入り、ユーロドルは堅調に推移している。日本が表明したのは、欧州金融安定基金(EFSF)が発行する債券の購入で、外貨準備を使用すると表明しているもののユーロには好材料と捉えられた。本日の入札ではユーロ圏内各国の意地もあるだろうし、何とかして順調に進みそうだ。明日には同じ債務国であるスペインやイタリアの国債入札を控えるが、一旦はユーロ買いの動きになりそうだ。その場合、今月6日に下落し始めたレベル、1.31ちょうど近辺が目先ターゲットとなる。

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